日記
7月1日:退職への道
退職の話を数年前にしたときには大変な精神ダメージをくらったために、今回は相談、という形できりだしてみて、それがうまくいったのかうまくいっていないのか、という感触だ。機嫌をそこまでそこねなかったという意味ではうまくいったが、進展が微妙なところがうまくいっていない。
ひとまず契約形態は変えられそうなので、そこから徐々に距離をあけていく、ということをしていきたい。上司が私に、はっきりいって依存気味であり、恐怖を覚えた。親子のような関係を望んでいるらしく、本当にゾッとする。親身な会話というのは必要だし、人生の中でもそんな話ができる相手が(上司であれ)存在するのは尊いことだ。しかし、そのような関係が親子関係かというと全然違う。親と子、という動きようのない関係を求められているのが透けてみえていて怖い。そして、擬似親子関係を望んでいません、と態度で幾度も示しているのに諦めないところがまた真に怖いところですよ。
最近仕事外の交友関係でも少しそれらしいことがあったのだが、心の拠り所を探している人に「いい杖だ」と思われることがどうも多いようだ。優しくしているわけでもないので不思議だ。「なんでそんなに冷たいんですか?」と責められながらずっと絡まれている。
最近読んだ本。「かにみそ」、蟹のキャラがかわいい。職場の人間関係の描写が好きだなと思う。収録されているもう一編のものも読んで、色気がないホラーの方が好きなのだなと自覚した。「かにみそ」収録の2編は、両方ともに色香があった。じめじめしたホラー映画は好きだし、湿気を感じる音楽も好きなのだが、湿気にも種類があるというか。夏の夜、夜店、遊び、夜ふかし、嵐、台風、などは好きで、しかしそこに粘膜っぽさが入ると苦手になってくる。単純にいうと性行為の示唆や含みが合わない。ただ夜店や見せ物小屋の妖しい魅力を裏打ちしているのはセクシーさだとも思うので、絶妙なよいバランスがあるのだろうな。
ちなみに湿気を感じる音楽というのは、岸田繁の書く夏ソングとか(花火とか)、滝本晃司の書く曲全般。「夏の前日」が有名だけど、「日本でよかった」は日本の気候、という感じで良い。