26-1-22
(「愛についてぼくたちが知らないすべてのこと」と「アポカリプスホテル」のネタバレがあります)
年末年始読んだ本の中ででかい存在のやつ
「愛についてぼくたちが知らないすべてのこと」
これは(オフラインの)日記に長々と感想を残していて、最後に書いたのところだけ抜き出すと、
「決定的なことが最後には起こったと思った。途中で隆春が殺された時も速度に驚いていたけど、それよりもっと衝撃的なことが起きて終わった、という雰囲気がある。とはいえ極端ないわゆる、『巨大感情』を伴うような結末にも思える。これはすごく怖い感想かもしれないけど、花びらが自分の世界を拡大することによって、本当に靴子を性奴隷としてしまったみたいな、でもそれが決定的に愛だった、みたいな感触。そういった極端な人物造形は、消費的な、記号的なものにも重なる。記号を駆使する登場人物たちが、陳腐な記号に成り下がってしまったような。」
まあこれはいろいろな感想を経由した結果書いていたもので、花びらが特殊な人として描かれないで「人となる」という結末だと捉えれば、いいじゃんと思う。今は。
「美食礼讃」
宿屋ヒルベルトさん前から気になっていたけどすごく好きだなー。
「時の家」
いいとこたくさんあるけど言語圧縮加減が本当に気持ちいい。「その中で彼女もなた私と同じように彼を愛していた」をちゃんと書いたの覚悟を感じてかっけーと思った。どっかの言葉メモしておけばよかったなと思ってぱらぱら読み返していたけど全然見つからなかった。なんだったっけな……。
「待ち合わせは本の庭で」
いろんな本を作中で紹介していて本の入り口になっている、本自体が本屋さんになっていてそれがまずすばらしい、、し、最初から翻訳の違いという題材を取り上げていて面白い、するする読んでしまった。時々甘さのないバキバキとした書き味があってそれもかっこいい。少女小説読もうかなという気分に。
昨年ほぼ本読んでない。もう、ダメとか思っていたが時間があればほどほどに読むみたいだった。
アポカリプスホテル、アマプラの仕様ひどいなー。エンディング見るのに失敗しつづけて最終回以外一回も見られていない。aikoの曲は当初話題になってて菊地成孔がすごい説明してくれてたのを記憶している(全然わからなかったけど)。
内容は最初はピンときていなかった。宇宙人のサイズ感や倫理観、言語体系が地球人に近いっぽいのがどうなんだと思うのと、アポカリプス×美少女て、みたいな感じもあったし、たぬき星人の茶番は鼻につくし、だったけど神の杖エピソードから、決定的に人と倫理観が違うというところを見せつけてきて、そして最後には、人間ではなく、人間基準で言うとずれた感覚を持っているヤチヨが、人の死の先を見据えるために物語があったのだと思わされる。
最後、地球人がきたのにそんなに嬉しくなかったヤチヨが思い出すのはオーナーのことで、つまりはヤチヨはオーナーに帰ってきて欲しかったのだ、というのはほとんど説明されていると思う。オーナーが「もう死んでいる」ということにわざわざ触れるし。この時もしかするとヤチヨははじめてオーナーの死みたいなものに触れたのかもしれない。ヤチヨに対してポン子は「宇宙人が地球人くらい大事になったんじゃない?」的なことを言う。それは部分的には合っていてもオーナーへのヤチヨの気持ちを汲んだものではない。でもヤチヨは納得する。ここがいいなと思った。誰かに痛みを知られるということが死の受け入れにつながるわけではない。神の杖を搭載し、ホテルの広告に覆われた地球は、オーナーを待ち続けるものから、改めて宇宙に開かれた場所になる。ドラクエ7風に言うと(なぜ?)「ゼポット、今日も、動かない…」ではなく、大事な人がもうこの世にはいないということをきちんとアンドロイドとして理解する。そして生きて(機械の体を動かして)いく。