日記:胃と個人的すぎる対処法
一昨々日の話である。久しぶりに夕方から胃の不調を感じた。症状は痛みではなく、胃に空気がたまることで、吐き気と胸のつかえ、動悸が続く。実際に吐くわけではないが、吐かないとも言い切れない状態。仕事を抜け出してこっそりトイレにこもる。常備している胃薬も飲むが、なかなかおさまらなかった。
今までもこんなことが度々あったなあと顧みる。不調の胃との付き合いは結構長い。少しその変遷を書き残しておこう。
胃とつきあう中で、一番はじめに感じた症状が背中の痛みだったか、胃の膨らみだったかは覚えていない。とにかく仕事をはじめて2、3年目くらいのころにふたつともやってきた。背中の痛みはデスクワークによるものだと思い込んでいたが、近所の整形外科医にひとこと、「胃だね!」といわれる。胃薬を出されて、それを飲むことで背中の痛みは消えた。
これと前後して、背中の痛みを抱えたまま飲み会に参加したことがあって、その時はワインを数杯飲んだ後、ひとつしかないトイレが空くのを待っている間に真っ赤な吐瀉物をばらまいた。記憶は朦朧としているが、誰にも介抱されなかったことを覚えている。悲しい思い出である。重ねて、その飲み会の状況がゲームの「Night in the Woods」の中の飲み会シーンに酷似していたため、かなり哀しい感じであった(未プレイの方はぜひやってみてください)。
胃の膨らみを自覚したのはガストでのことだった。仕事を終え、腹が減った、がっつりとした油を食おう!とガストでとんかつ和膳を注文、意気揚々と箸を手に取りサクッとひとくち食べる。白米も少し食べると、もうそこから食が進まなかった。みそ汁だけはかろうじて飲んだが、他には手をつけられず、ほとんどを残してガストを去った。すまない……。
ものが食べられない状態はしばらく続く。数日後医者へかかると、「胃に空気がパンパンですね〜」といわれる。そこでも胃薬をもらう。それで症状はおさまったが、たびたび胃が空気で膨らむのを自覚するようになった。友人には不整脈を疑われる。原因はストレスではないかと医者にはいわれた。しかし思い当たる節がない。もはやただ生活することにストレスを抱えているのかもしれない。
病院へといったあの頃が胃の不調のピークであった。それからは思い出したように、夜に多く症状がでる。
頻繁に、しかも原因がわからない状態で不調はやってくるので、生活に多少支障がでる。心因性のところもあるのだろうか、電車にのると症状が酷くなる時があった。するといつ吐くかわからない状態では電車に乗りたくなくなる。または食事の予約をした時。当日になって症状がやってきて、せっかくの予約困難な店の味を万全の状態で楽しめない。久しぶりの友人との飲み会では、ウコン茶ばかり飲む。仕事先で皆でランチ、となった時にものが食えない……というように、地味だがじわじわと嫌な思いをする。
ただ、運動をはじめたころから症状が出る頻度は減った。やはり運動は心身に良いものなのである。ところが今年の春に1ヶ月以上、胃の重い日が続く。関係があるのかないのか、4月には胃腸炎、6月には盲腸で倒れることになる。私の場合、盲腸は腸が痛む前に胃痛がきた。胃薬を飲んでも効果はなく、だんだんと痛みが腸の右下へと移動する。もしかすると、その前の長い胃の不調期間も前兆だったのかもと思いつつ、因果関係はわからない。
療法について。これは病院行くのが一番であろう。ただ個人的に習慣になってきた胃への対処法というものがある。
とりあえずは、運動。これは本当に効く。自転車通勤とリングフィットがかなりいい仕事をしている。そして睡眠。誰と一緒にいようと、何かイベントがあろうと、泊まりだろうと、絶対に12時台には床に就く。つまんねー野郎だと思われようと、こちとら体を守ることに必死なのだ。あとはお守りとして、胃薬を持ち歩くこと。出先でなにがあっても、「こいつがいる」という安心感を与えてくれる。安心感は大事だ。コンビニで売ってる飲み過ぎ用の小袋でいい。それをカバンや財布にしのばせるのだ。そして、カフェインに多少気を配ること。コーヒーは調子の良い時でも一日一杯、自分の体の状態が探れないときはカフェラテなどのまざりもので濁しておく。
症状が出た時の対処法。なぜか私には歩く・走ることがとてもよく効く。胃の膨らみは放っておいても数時間でなくなるが、それをはやめるためには、とにかく歩く。動悸の症状より心拍数をあげる運動をするのが効く気がしている。そうするとこんなにあったんすか?と思うほどのげっぷが次々に出て(汚い話ですみません)、胃が軽くなる。ストレスを感じやすい電車を避けて歩く、というのも理にかなっている。そして意外と重要なのは、歩けば治るのだと強く思いこむことかもしれない。
胃が弱いと、調子が良い時のご飯が本当においしい。こってりした定食をゆっくりでもいいから食べきったときは、おいしかった!と同時に全部きれいに食べられた!という強い喜びがある。胃が弱い同士がいたら、たくさんものを食べられた時には共に祝いたい。