盲腸の静かな夕べ

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日記:海怖い

5月1日(月)

大島弓子の「庭はみどり川はブルー」を読み返していて、登場人物(杏、槐、図子王)の名前の由来はなんだったっけと調べたら安寿と厨子王だった。「杏」と「槐(えんじゅ)」は母娘なのだが、安寿を解体して名付けられている。その流れで森鴎外の山椒太夫(安寿と厨子王が出てくる)を読んでみたら面白かった。展開がジェットコースター。山椒太夫の息子の二郎・三郎の、言葉少ないのにキャラが立ってる感じ……。そして安寿の親友ポジみたいな人も出てくる。そして人買いの圧の怖さ。
朝はマーサナカムラの「串」を読んでいたので気分が日本土着のものにひっぱられていていい感じだ。しかしあの作品のタイトルに「串」と思い切りつけるの、かっこいい。マーサさんのホラー好きだな。
「中二階」はトイレパートに差し掛かっている。その少し前の9章の注釈で、(会社に入りたての頃は)「最初のうちやたらと自分に親切にする人たちがいて、そういうのに限ってきっとろくでもない人物に決まっているのだが、何しろ向こうがいいところばかり見せるものだから、他の人たちが何らかの理由で彼らを避けているのはわかっていても、どうしても職場の中心的存在のように思えてしまう。」という面白悲しい解像度の高さがあった。
こうして読んでいると本文と注釈それぞれで流れている時間の差が明白な上に、章と章のあいだにも休憩時間的な間があって、そこが反省タイムになっているように読める。「さっきはこう言ったけど」とかよく書いてある。
Mに勧められた「DREDGE」というクトゥルフ釣りホラーゲームを始めている。めちゃくちゃ海が怖い。大海原に取り残される緊張感がある。奇形の魚がたくさん釣れるし、化け物がたくさんいる。こういうのはタラタラやると攻略が余裕になってしまう気がするのだが、注意を払わずにはいられない。

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