日記:休暇のこと
ここ数日京都にいた。なんとなく日記の中で明記していなかったけど、なんだかそれだと意味がないし、日記の内容があんまり良くない感じがした。意外と書く時間がとれないという部分もあってふわっとしていた。ガシガシ、人に伝える必要もないことを書いていくのが私が好んでよくやっていたことだろうと反省して、日記をリライトしていこうと思う。
1日目(木曜)
はじめてぷらっとこだまを利用した。1万円くらい。存在を知らなかったのだが恋人が教えてくれた(恋人は学生時代京都にいた)。昔は深夜バス一択だった長距離移動にこんなにやすやすと金を払う。これも労働の結果だと思うと気持ちがよくない。新幹線に乗っている間みつけた変な建造物はパナソニックのソーラーのやつ(これ)。
駅弁だったら大抵なんでも好き。よくカニとかイクラとか、そういう海産物が入ったやつを買ってしまう。
12時すぎに出発して、ついたのは15-16時の間くらい。新幹線3時間は全然苦ではない。昔から新幹線にのっている時間が好き。旅の醍醐味といっていい。しょっちゅう移動している人はいやになってくるのかもしれないけど。
とりあえず荷物を預けようと宿につくともうチェックインできるみたいだった。部屋はとてもいい。ここで4泊するのだと少し嬉しくなる。せまいけど、必要なものがぎゅっとなっていて、余計なものがない感じがとてもいい。本来この程度で暮らせるのだと認識させられる(実際はむりだろうて)。少し周囲を散策して、何かカフェに入ろうとする。カフェがやたらとある。まずは名前をよくきく小川コーヒーへ。キャロットケーキとエチオピアの豆のコーヒー。日記にもよく書いている通り私は胃が異常に弱いので、半年以上ほとんどコーヒーは飲んでいなかった。久々のコーヒー、めちゃくちゃに美味しい!感動だ。キャロットケーキはおいしいんだかなんだかわからない味がした。とにかくコーヒーがうまい!
夕ご飯、胃の関係で飲みにいったりはしないと決めていたので、一品で片がつくカレー屋を探した。カレーはそういう時便利だなと思った。旅先でカレー屋探しは今後もやっていきたい。アジパイという店にいって、あいがけカレーを頼んだ。美味しかった。途中から辛めのたまねぎの味しかしなくなったので、そこはちょっと。宿もやっているようで、また別の機会にここを利用してみるのもいいなと思った。
明日以降の予定を決めていなかったので、宿につくといろいろと調べ始めた。こういうことはしたくないと思っていたが、やはりしてしまう。少し課題小説の草案を書く。あまりまとまらない。風呂は部屋のシャワーを浴びた。夜、全然眠れない。3時はまわっていたかと思う。どうやって眠りについたか、眠れていたのかあまりよく覚えていない。
2日目(金曜)
とりあえず伏見稲荷にいこうとは決めていたので、向かう。かつて修学旅行(中学)でいったことがあるけれど、確か道中で引き返して帰ったのだった。最後まで登りたいと思う。で、登った。かなり疲れた。午前いっぱいかかった。降りてきた直後はそうでもなかったけれど、このあと一日歩くことになりものすごい疲労に襲われる。伏見稲荷では5匹くらい猫をみた。さわりもした。かわいい。
昼、にしんそばを食べにいく。「京都怪談」に出てきた松葉に行った。最寄りは祇園四条駅。正直にしんそばにそこまで惹かれていなかったけど、わりと美味しい感じ。怪談を思いながら食べるのは結構楽しかった。聖地巡りとはこういうことかと思う(そういうことか?)。
旅先ではよくアンティークショップに行くので、目当てにしていた70bに行こうとして、烏丸で下車(店の最寄りは烏丸御池だが、このあたりは徒歩圏内)。この時点で結構つかれていたのでカフェに入り、抹茶ラテを飲む。プロントだけど音楽雑貨も売ってますみたいなこぎれいなところで、壁にはLPのジャケがたくさん飾られていた。座ったカウンターの前にはアートペッパーとキャロルキング。両方とも好きなミュージシャンなので得した。
いい感じの商店街があったのでふらっと立ち寄った。あとで知るがそこが錦市場という観光地としても有名なところだったらしい。ふらふらしていると目的としていなかったアンティークショップをみつける。わりとリーズナブル。目盛のついた青いビンをひとつ買った。若い店主だった。
このあたりは古い建物がドーンドーンと急にあるのでいいなあと思う。横浜の雰囲気を思い出す。70bは思っていたのと違って特に何も買わずに出た。数で勝負する店という先入観を持っていたのだが、高円寺maltoの方がよっぽどあるぞと思ったのだった(たぶん、70bは別店舗がめちゃくちゃでかいっぽい)。
烏丸御池から丸太町に電車で移動し、夷川通りを楽しもうと思った。家具の通りといわれる範囲が把握できておらず、店のない通りをひたすら歩いてしまっていた。本当に疲れたしなんでこんなに歩いているんだと自己嫌悪した。計何万歩歩いたのかわからない。
くたくたなので、ホテルに戻ってから徒歩5分くらいの場所にある銭湯に向かった。露天もついていたがマンションから丸見えなのが笑ってしまった。少し回復したので駅前地下街の適当なところで定食を食べる。サワラの西京焼き。サイフを座席においてしまったまま、お茶を汲みに席をたったのは不注意がすぎた。その隙に店員によって回収された財布が忘れ物センターに届けられる。さすがに置き引きにあったと思ってかなり焦った。変な汗がでた。無事回収できて安心。
せっかくなのでホテルのジンバーでテイスティングさせてもらう。ジンは味や香りの違いがはっきりわかって楽しい。これだけ疲れているのだから寝られるだろうと思ったのに、まだ寝られない。もしかすると浴衣がよくないのかもしれない(このホテル、なぜか浴衣の帯をデフォで置いていなかったのではおっていた。言えばくれたろうが、まあいっかとそのままにしていた)。2時を過ぎたところで、明かりをつけて眠くなるまで本を読んだ。明かりをつけ、メガネをかけたまま眠りに落ちた。
3日目(土曜)
一日雨。雨だがそこまでは冷え込まない。体がバキバキである。そろそろ課題の小説に手をつけないとやばい。朝ホテルのラウンジで1時間くらいねばる。ワイフ&ハズバンドというコーヒー屋が気になっていたので北大路までいく。開いていなかった。近くに府立植物園があったので向かう。入園料200円。ずっと書けない小説のことを考えていた。なのでネタ探しという側面が強かった。見どころが多く良い発想をもらえた気がする。活かせているかはわからないけれど、、
四条に戻ってD&DEPERTMENT KYOTOへ。雑貨好きなので。瓶詰めのピクルスを購入。一角にホホホ座のコーナーがあって、ああ、ホホホ座ってそういえば京都だった!と思い当たる。どこかのタイミングで行こうと決めた。昼もここで食べる。寺のなかに座席があって、かなり落ち着けてよかった。雨じゃなければもっと混むのだろうな。
醍醐寺へ。こちらもネタ探し的な動機でいった。明王がたくさん展示されている。桜は4分咲きという程度だが、それでもすごい。満開になったらもっとものすごいのだろう。とりあえず今書いているものに必要な情報は得たのではないか? と満足して、ホホホ座に向かうことに。東山まで行き、バスに乗り換え浄土寺まで。ぼーっとしていたら乗り過ごすところだった。降りた客は私一人だったか。ホホホ座では本を一冊買った。旅先で買うなよという大型本で、「私がカフェをはじめた日。」というやつ。カフェが開きたいわけではないが、就労の悩みが尽きない今読むのにちょうどいい本だと思った。ホホホ座近くのカフェに入った。京都で飲んだコーヒーの中で一番好きかも。なんだったのだろう。チーズケーキも美味しかった。ここで例の「兄が選挙にでる」という店主と常連の話を盗みぎく。
バスで京都駅まで帰る。予約サイトからメールがきて、取り置きしていた本を放置していたことを思い出す。明日までが引き取り期限なので、恋人にとりにいってもらった。申し訳なかった。
お礼がてらにコーヒー豆を買っていこうと思い、ワイフ&ハズバンドの別店舗(こちらは豆とか古道具を売っている)に寄る。ブレンドと、あとは欲しいと思っていたカバンとかひっかけられるフックを買った。
あんまり夕食に悩みたくなかったので、さくっとラーメン。貝だしの。美味。
ジンを飲みながら執筆。進まない!2200すぎまでラウンジで書いて、そのあとは部屋に戻った。
今日買った本を読む。インタビュアーが女性カフェオーナーに話をきくという内容。面白くするする読めるんだけど、「女の子」とか「サブカル女子」とか「リネン」とか「ボーダーのシャツ」ということばを少し斜に構えて(あけっぴろげにいえば、ちょっと小馬鹿にして)使っている感じからなんだか「ん?」と思い、なんとなく閉じて、そしてこの日は、快眠!(ユニクロで寝る時用の服を買ったのもいい影響だったと思う)
4日目(日曜)
結構あたたかい。最近調子がよいので、朝食で冷たい飲み物を飲んだら即腹が痛くなる。まだはやかった。
午前いっぱいは執筆。どうしようと悩んで読み返したらもうこれオチてる……という気がしてきたのでそのままにしてとりあえず外に出る。やはりホテルに篭るとテンションが下がる。
コーヒースタンドによってラテを頼む。少し緩く、あまりおいしさはわからない。胃の調子がわからないとはいえコーヒーにすればよかったかもしれない。
散歩コースに行きたくて、インクライン〜哲学の道を歩く。とちゅうでだんごを食べる。猫を3匹みた。銀閣寺手前まできて、もういいか〜という気分になり、バスで出町柳へ。鴨川の合流地点だ。カフェでおそめのランチ。写真でみると小さく思えたハンバーガーがかなりでかかった。美味しいが油もたっぷり。これがのちに軽い胃酸逆流を引き起こした。一時間半くらいかけて書いたものを推敲、改訂。やっと形がみえてきた。
気持ちに余裕ができたので、叡電にのり一乗寺へ。かねてから話にきいていた恵文社に行ってみる。老舗本屋の佇まいを想像していたらおしゃれな雑貨&本屋だった。買おうかなと悩んでいた本がいくつもいくつもみつかる。しかしハードカバーを買うとまた荷物が、、という懸念があったので、文庫を一冊買う。穂村弘。近くの古道具屋でチェコの実験器具としてつくられたらしいスプーンを買う。
昼が遅かったのでパン買い、これを夕食とする。ばかでかいカレーパンには卵が入っている。出町柳に戻り、バスで京都駅まで。ホテルに戻ったら課題を最後まで仕上げる。22:00過ぎに提出。明日の新幹線をまたぷらっとこだまでとろうと思ったら、22:00すぎると買えないみたいだった。失敗。のぞみの自由席をとる。EX使うのが久しぶりすぎて、ICカードを登録しなおしたりごちゃごちゃやる。
受けようと思っていたオンラインスクールの割引期日が今日まで。もう悩んでも仕方がないと思ってえいやっと支払って入会した。金遣いの荒いこと……
5日目(月曜)
晴れているが寒い。5日にもなると、ようやく部屋になじみが出てくる感じがある。住むように旅行したいなどと吐いてはいたけれど、やはりそれは無理で、せめて1週間ないと無理かもしれない。気持ち的にも、損をしたくないというような貧乏性がはたらいて、どうしても観光地に足がむいてしまう(あと観光地は楽しい)。長く泊まるには金がいるし、マインドを変えるには貧乏性を捨てなければいけないし、己の貧しさを思う。
スッキリで桜が東京で満開になったという報道をやっていた。京都はもう少し、という感じがするけれども。
まったく予定を決めていなかったので、とりあえずチェックアウトして荷物を駅前に預け、一瞬清水寺に行きそうに。しかし嵐電のことを思い出す。ロケ地いけるじゃん!と。嵐山の方へ電車で向かう。『嵐電』に出てきたホームのカフェ?は閉まっていた。
電車にのるのが好きだなと改めて思う。
嵐山の橋をみて、天龍寺の方へ行くと、記憶がよみがえってきた。嵐山のあたり、行ったことがないと勘違いしていたが、修学旅行できていた。あの時はタクシー移動だったので(班に一台ダクシーがつけられ、それで各地を移動する)、地理がいまいちつかめていなかったのだ。天龍寺の庭をみてはっきりと思い出す。友達がその庭の絵を描いていた。近くの野宮神社も訪れていた。そこの苔がものすごく綺麗だったのを覚えていて(そこを絵に描いた友達もいた)、今回もみようとのぞいてみると、全然記憶と違う。ふさふさした苔ではなくなっていた。時期的なものかも。それかこの年月でいろいろと変わったのか……。
昼は、天龍寺に行く前にはやめに湯葉うどんを食べた。微妙。元々濃い味好きなので京うどんの出汁が合わないのかも。まあこれはこれで楽しい。近くのミッフィーのお菓子のお店がやたらと混んでいた。
嵐電もそうだけど、平日でこの混み具合だとレジャーピーク時はどうなっているのだろう。竹林を抜け、トロッコ電車の駅についた。当日券があったので買う。40分くらい時間をつぶしている間に、アカデミー賞が発表されたらしい。友達との雑談ラインや、恋人からのラインの通知がくる。ウィル・スミスのこととか、ドライブマイカーのこととか。コーダ受賞の方がなんだか身近なところでは喜ばれている気がする。
ドライブマイカーについては絶賛した口だけど、ちらほら女性の描き方についての投稿や評が目に入るようになった。確かになと反省する。普段見過ごしてしまっている「そんなこと」の重要性を思う。バーニングの女性の裸踊りにはドン引きしていたけれど、ドライブマイカーは他の要素がでかすぎてすげえ!と思ってみてしまっていた。思い起こすと、急なキスとかなんだこれとは思ったような。セックスシーンに関しては、私はどの映画であってもどんな文脈であってもかなり引いてしまいがちなので、その他多くの映画と同じように、ここは我慢するところ、と思ってみていたのだった。物語を語り出す女性の「ファンタジー」に関しては、その「ファンタジー」から女性を現実に取り戻すという話の流れがあると考えていたので、ちょっと見返してみないといけないかもしれない。
ひねり大福を食べて、トロッコ電車にのる。満席。ガタガタ揺れるのが心地よい。絶対に嫌になると思うけど、すべての電車がこのくらい揺れればいいと思った。到着した亀岡駅から馬堀駅まで歩き、JRで京都駅まで戻る。
疲れてきたので、お土産を探して早々に帰ることにする。コーヒーが恋しかったが、胃の調子を考えてやめておく。あんバタクロワッサンを自分用に買い、新幹線で食べようとは思っていたのだけど、「持ち帰り時間は?」ときかれて「二時間?」と答えてしまった。二時間も持つ保冷剤はきっとないだろうて。
今までで最長の旅行だったのに、あっというまだった。課題があって気持ちが落ち着かなかったところもあるが、課題がなかったら何も書かないで終わっていたというところもあり、なんともいえない。朝起きて支度をし、朝食をとりながらまず何か書き出す、というのはよかった。あまり動き過ぎないこと。好きな喫茶店をみつけること。日中ははやめに帰ること。ルームウェアは持つこと。テンションのあがる服を持っていくこと。反省点はそこらあたりか。場所を移動しただけでは自分を見つめ直す(?)なんてことは到底できない。旅を有意義なこととしないで、あまりなにもしていない、という状態にできたのはよかったことと思いたい。